2年生の文学教材「お手紙(アーノルド・ローべル作)」で、かえるくんとがまくんが2人でお手紙を待っている「時間の長さ」を、いかに子どもたちに実感させることができるか。
そこから考えてやってみた。
そう!
「お手紙」の登場人物の生き物たち飼育を生活科とあわせて。
まずは、かたつむりくん🐌
ご存知の通り、かえるくんが自分が書いたお手紙を、偶然出会ったかたつむりくんに配送を託したために、2人は、4日間もお手紙の到着を待つはめになる。
だが二人でお手紙を待つ時間は、がまくんにとって、もうひとりぼっちではなく、かえるくんと一緒にお手紙を待つ幸せな時間となっている。
そう考えると、かたつむりくんこそがこの作品のキーパーソンでもある。
のんびりと歩みを進めるかたつむりくんをイメージしやすいように、実際にカタツムリを飼育し始めた。
もちろん、ガマガエル(ヒキガエル)とシュレーゲルアオガエルなども。
がまがえるくん(ヒキガエル)
ぽっちゃり、というか、ボテっとしている。
かえるくん(シュレーゲルアオガエル上と、
モリアオガエル下)
上のシュレーゲルアオガエルは、まだ幼いので小さい。シュッとした細身。
下のモリアオガエルは体が大きいので、お手紙のかえるくんに近いかも。がまがえる(ヒキガエル)に近い大きさである。
子どもたちは、生活科の学習で熱心にお世話をしている。
そして、かたつむりくん(カタツムリ)!
昔は都会などでもよく見られたカタツムリ🐌
童謡にて唄われるなど身近な存在だったカタツムリ。かわいいイメージがある。
国語教科書に掲載されている「お手紙」でも、愛らしいかたつむりくんの挿し絵がある。
のんびりと歩みを進めるその姿を子どもたちは自分の脳裏に焼き付けて、授業に臨むに違いない。
授業において、その飼育経験からの子どもたちの発言がたのしみである。
ぜひ皆さんも、お試しあれ!
(注意:カタツムリは寄生虫などを媒介しているといわれている。そのため、お世話をしたら必ず手を洗う。手に怪我がある時は触らない。私の学級では、素手で食べるパン給食の日は、お世話をしないとしている。約束ごとをきちんと決めて飼育することが大切である。どんな生き物でも、手を必ず洗うことは鉄則である。)
子どもたちが大好きな生き物「カエル」。
それを主人公にしたのが、アーノルド・ローベル作「お手紙」である。
教科書本文や挿絵を使って授業を行うが、ぜひ今年の2学期にやってほしいのが、パペットや人形も使っての授業。
子どもたちに見せるパペットや人形の向きや姿勢などによって、元気そうであったり、悲しそうであったりといろいろと子どもへ問い、思考を刺激することができる。
特に文章の読み取りが苦手な子も喜んで参加する。
私は普段の朝の会や帰りの会、学級活動や英語の時間などで、もう数十年前からパペットや人形を使っているが、子どもたちに、このパペットや人形の気持ちやその場面の様子を考えさせるのに、とても有効だと思っている。
十数年ぶりの2年生担任。
パペットや人形で「お手紙」の場面の様子を読み取る補助として学びを深くしていきたい。
皆さまも子どもたちの想像力アップのために、ぜひお試しあれ!
わたしの学級では、朝の会で日番(日直)さんによるトークタイムをやっている。
概要は以下のとおり。
「もしも〜があったら(なかったら)」というお題を日番さんが出す。すると、ペアで(今はトリオ)そのお題について考えを交流するというもの。
「もしも猫型のロボットがお家にいたら」とか、「もしも弟が、お尻を出して動き回る幼稚園児だったら」などなど。子どもらしいかわいいお題が多い。
朝から笑顔満開になるので、ぜひ皆さんもやってみてほしい。
今から10年ぐらい前になるだろうか。
私が尊敬し、お慕いしている問題解決の授業づくりの師匠から教えていただいたのが、見出しにある、
「SHOW&TELL」
である。
(その後少し進化している)
読者の皆さんの学級では、朝の会で、
「1分間スピーチ」
をやっている方もいることだろう。
例えば、
お題をあらかじめいくつか提示して子どもに選ばせておいたり、
はじめから子どもに任せておいたりしてやっているのではないだろうか。
全体でやる場合と、ペアでやる場合など、ねらいや目的に応じていろいろだと思う。
ただ、私の経験上、ハイタレントな子どもはいいが、そうでない子の場合は、この話す時間が苦しい時間となるときがある。
そうでなくても、
「昨日〇〇のゲームをしました。とてもたのしかったです。・・・。」
続かないこともある。
そこで私の学級では、今は1分間スピーチをやっていない。
スピーチをさせるときは、「SHOW&TELL」をやることにしている。
この方が100倍、子どもたちは楽しんでいる。
何日も前から、たのしみにしていることを報告しにやってくる子どもがいるほどである。
これを朝の会でやることもあるし、授業時間45分間でやることもある。
みんなどの子も、友達に紹介したい物を持ってくるので、早く紹介したくて仕方がないのである。
普通の1分間スピーチとは、雲泥の差である。
もちろん、壊れていけない物は職員室で預かって帰りに返す。これは重要。
さて、流れは以下のとおり。
①スピーチタイム(百字程度)
②質問タイム(聞き手から話し手へ)
③感想タイム(話し手から聞き手へ)
④ありがとうタイム(聞き手の感想をカードにして、話し手へ渡す)
以上である。
①の百字程度というのは、実践上、これが話やすい字数と考えている。多過ぎず、少な過ぎず。いい塩梅である。
多いと②の質問タイムが盛り上がらない。逆に少ないと、質問が多過ぎて、時間が足りなくなる。その場合には人数制限を行う。(朝の会でやるなら、時間の都合上、人数制限はあっていい。あった方がいい。)
④の教えてくれてありがとうカードは、もらった本人がとても喜ぶ。ラミネートしてあげると、ずっと家に飾っているほどだ。
授業時間にやる場合には、班でやるのもよし、ブースをつくってやるのもいい。
私はお店屋さん形式でやることもある。その場合、学級の人間関係がとてもよく分かっていい。誰が人気で、誰がそうでないか。
ただし、お互いのサインをもらうことや、1対1、あるいは、聞き手は2人までといった条件を入れると、どの子の目の前にも誰か最低一人、子どもが座ることになるので、寂しい子がいなくていい。
当然、どの子も意欲をもって話すことにもつながるが、「聞き手を育てる」ということにもなり、「聞くチカラ」「質問するチカラ」の向上も観て取れる。これは、普段の授業に役立つ。
きっと直ぐに皆さんも実感できると思う。
是非お試しあれ!
以下の書籍を参考にしています。
【授業づくりネットワーク ′94 9月号/特集教室スピーチのすすめ/学事出版】
子どもたちの「書く力」を如何に高めるか。
多くの教師が頭を悩める課題であろう。
かくいう私もその一人である。
そして、多くの先人先輩方も、目の前の子どもたちを前に、悩み、試行錯誤して、多くの実践を世に出されている。
私はその偉大な先人方に敬意を表しつつ感謝して、そのご実践を追試したり、アレンジしたりして使わせていただくことがある。
ただ今回は、自分で考えてみた。
子どもたちが、たのしくて、ついつい夢中になってしまうような方法はないか。
私は、日々悩んでいる。
だが今回は意を決して、何も頼らずに、私自身が考えた実践を紹介する。拙い実践である。生み出したといえるような大したものでもない。読者の皆様のご批正をいただけたら幸いである。
さて私の学級の子どもたちの中には、ネットゲームが大好きで、放課後、友達とそれに興じる子どもがいる。
(皆様の学級もそうではないだろうか。)
学校においては、なぞなぞやクイズなども子どもたちが大好きな遊びので一つである。
お誕生日会やお楽しみ会などでは定番である。
大人もそうだが、興味があり、たのしいと思うことは、時間が来てもなかなかやめられない。制限時間があってもである。笑
そうそう。
私が目指す「書く力」を高める方法もそのようなもの。
やめたくない、終わりたくない。
そのような状況に子どもたちを置きたい。
私:「そろそろ終わりの時間です。やめましょう。」
子どもたち:「ええ〜。先生、もう少しやりたい。やらせて〜。」
このような場面があると嬉しいものだ。
その実現のために、とっておきのものこそ、クイズですね。
子どもたちは本当に大好きである。
そこで、語彙力と書く力を高めるために、「オノマトペ」クイズを考えた。
結論から述べると、子ども達がとても熱心に行ってなかなかやめない。
まさに、ヒット!
これは、本当に嬉しい。
やり方は、いたって簡単である。
①白紙にオノマトペを書く。
なんでもいい。
例えば、「ぞろぞろ」。
②次に、その①で選んだオノマトペを虫食い○にする。
「ぞ○ぞ○」あるいは、「○ろ○ろ」でもいい。同じ字を抜く方がいい。
③そのオノマトペに関するヒントを考える。
例:「一列に並んで歩きます。」
④となりに座る友達に出題し、ヒントを伝える。
⑤出題されたとなりの友達は、答えを述べる。
そして、即興でそのオノマトペを使った文(必ず主語と述語を入れる)を考えて白紙に書き、出題者に伝える。
例:アリがえさをさがしてぞろぞろと歩く。
⑥そのオノマトペにふさわしい文なら、合格の⭕️をあげる。
オノマトペが書かれた白紙をファイルして「オノマトペ辞典」としてためていく。
以上のようなクイズをペアやグループで行う。
すると、遊びながら子どもたちの文章表現力がアップする。
子どもたちから出てきたオノマトペは、主なものだけ掲載すると以下の通り。
しゃかしゃか
ぞくぞく
そよそよ
ぴょこぴょこ
ぽこぽこ
むにむに
ぺたぺた
ごくごく
ガクガク
ちょこちょこ
ぞろぞろ
わくわく
ずかずか
ひらひら
ぷりんぷりん
ドクドク
どろどろ
くしゃくしゃ
がちゃがちゃ
ドン!!
さっと
他にもいろいろ。
後日、教師の机上に、以下の本をおいておいた。子どもたちには告げずに。
【イラストでわかる オノマトペじてん/小野正弘監修/成美堂出版】
すると、
「先生、これを読んでもいいですか。」
と、熱心に読む子が出てきた。
さらに自分の辞書も引いて、オノマトペクイズを作る子どもが多数現れた。
嬉しい限りだ。
大ヒット!
いつも授業で書く学習の振り返りやまとめのノートなどにもオノマトペが登場。
創作文も面白いものも出現してきます。
皆様も、
ぜひお試しあれ。
休み時間が、15分間あります。
えっ。
そうですよね。
長いのです。
それは、なぜか。
今は新型コロナ感染予防のために、私の勤務校では、手洗いのための時間があるからなのです。
つまり、10分間の休み時間と手洗いの5分間で、15分間なのです。
手洗いに5分間も使うの。
そうなんです。
手洗い場が、密になるのを防ぐために5分間を用意しているのです。
この手洗いの5分間があることで、授業開始に遅れる子どもはいません。
もちろん運動場には、休みの10分間が経過すると、誰もいません。
ですから、全員揃って授業開始ができるのです。
これは、本当に気持ちがいいです。
ですが、前任校(新型コロナ以前)では、休み時間が10分間ですから、授業に遅れる子が何人かいるわけです。
でもほとんどの子どもたちが時間を守って座っています。
そこで、時間を守っている子が得をしてたのしい時間を演出します。
「しりとり」ゲームをして全員が揃うのを待つのです。
これは、昔私の先輩から教わったゲームです。
見出しのとおり子どもたちの語彙力アップにも役立ちます。
最初は、字数制限無しでやります。
子どもたちは喜んでやります。
最初は一斉にやってもいいですね。しばらく慣れるまでは。そして多くの子どもたちがやり方に慣れてきたら、さらに語彙力アップを目指すので、ペアやグループでやるといいです。一人が言う時間が多くなりますから。
レベルアップを目指すのであれば、次からは、字数限定でやります。
2文字、3文字、4文字…。
どんどん字数を増やしていきます。
難易度が上がります。
すると、これは高学年でもたのしめます。
遅れて来る子を、いらいらして待つことなく、時間を守っている子どもが得をする時間となります。
家で辞書を使って調べて来る子や休み時間に国語辞典を読んでいる子も出現しますよ。
3学期の学級づくりとしてやってもいいですね。
たのしみながら語彙力がアップします。
ぜひ、新学期にお試しあれ。
普段の授業において、皆さんの学級の子どもたちはメモを取りながら人の話を聴いているでしょうか。
例えば、授業のこんな風景。
友達が発言しています。
相手の目を見て…。
おへそを相手に向けて…。
手は膝の上に…。
これでは、メモは取れません。
でも低学年の場合は、それらも大切ですね。型から入ることも必要だからです。人の話を聞く姿勢を教えていますね。
また書く時間と話す時間を分けて、書く時間を十分に確保することが下学年では必要です。
ですが、中学年、高学年でそれでは…。
中学年や高学年の子どもたちには、メモを取らせることをお勧めします。
これは低学年だってやれます。
中学年の国語の教科書には、「メモを取って聞く」という教材があります。
それをそのときにだけやるのではなくって、普段の授業においてずっとやります。
もちろん、他の教科でも活用できます。
算数科、理科、社会科…。
あらゆる学習で使えるのです。
そのときに活躍するのが、ノートです。
書くということをやるのです。
「第三の書く」です。
そうです。「第三の書く」といえば、ベテランの先生方はご存知ですね。
若い先生方は知らない方も多いでしょう。
元東京教育大学附属小学校の青木幹勇先生のご著作です。
最近、復刻版が出版されましたので、国語界でも再注目の書籍です。
私は、令和2年度の校内の職員研修で青木幹勇先生の「第三の書く」からヒントを得て、授業の中で「メモを取る」ということを提案をしました。
箇条書きで書くということだけでなく、短い言葉で、記号を使って書く。
図解や吹き出しを使うこともやる。
学力の高い子どもだけでなく、困り感のある子どもも自分なりにノートにメモしています。
メモであっても書くという作業をこまめに授業に取り入れる。
そうすることで 子どもたちが人の話を注意して聴くことにもつながります。
日々のあなたの授業も変わるのではないでしょうか。
ぜひお試しあれ!
以下の書籍を参考にしています。
【第三の書く 読むために書く 書くために読む/青木幹勇著/国土社】
昔、児童数1000人を超える、若い先生が多い大きな学校にいたときの話。
ある教室の横を通りますと、一斉に子どもたちの大きくて元気な声が聞こえてきました。
「あめの つぶつぶ ブドウに はいれ…」
国語の詩の授業、音読の一場面です。
どこの学校にもある、よくある風景ですね。
ですが、ふと変な気持ちになりました。
大きな声のみを求める音読に対してです。
おそらく、工夫して音読することも指導されているのだと思います。
その上で、ちょっと不思議に感じたのでした。
それは、みんなが大きな声で一斉に読むと、自分の音読する声が自分によく聴こえないからです。
それに友達の声もきちんと聴いて読んでいるのかさえ疑問だからです。
これだけをもし、毎日やっているとしたら…。
「大きな声で読む」ということは、低学年であれば、それも大切かもしれません。まずしっかりとした声が出せるのは必要だからです。
ですが、それだけでは、他の音読の力はどうでしょうか。
子どもたちが工夫して読めるようになるでしょうか。
友達の音読は聴けなくてもいいでしょうか。
実は「聴きながら読む」ということは、音読に必要です。
自分の声を聴きながら、読む。
友達の声を聴きながら、読む。
聴く耳を育てる力が、音読にはあります。
そして聴く力の上達が、学力の向上へとつながる。私は、そう思っています。
先ほどの教室です。
おまけによく教室の中を覗いて見ると、教科書を持たずに、口もきちんと開けずに、すらすら読めずいい加減な音読をやっている子がいました。それも数人います。音読が苦手な子どもです。
大勢の中に埋没してしまっている子です。
一概には言えませんが、私の経験上、音読の苦手な子は、学力が低い子が多いです。まず、すらすらと読めず、詰まります。
言い換えれば、学力の高い子は、音読も上手です。まず、すらすらと読むことができます。
ですから、私は、子どもたちに音読をさせている意味のもう一つとして学力の向上があると考えています。
音読が上手な子どもは、初見の文章であってもある程度、内容を理解しながら読んでいくことができます。
これは国語だけでなく、他の教科のあらゆる文章においても当てはまります。
教職を長く勤めておられるベテランの先生方はこれを知って指導されていますね。
教師だけでなく、子どもたちが学びの力が上達することを分かっていることが重要ですね。
直接趣意を説明してもいいでしょう。
音読をしながら上達するのを子どもが実感した時に気づかせるのもいいでしょう。
要は、どの子も音読することをたのしみながら、学びの力が上達することを分かっていることです。
そこで、ちょこっと提案です!
一斉音読の他に、グループで音読をさせてみてください。
◆「グループ音読」です。
4人の友達と音読をします。(3人や5人のときもあるでしょう)
大勢の中で埋没することを防ぐだけでなく、子どもが能動的になって取り組むようになります。ぜひやってみてください。
(ウオーミングアップで、一文ずつリレー音読をしてもいいですね)
まずは、声に出してすらすら読めるようにします。もちろん正しく読む。
作品の構造によって、
◯詩教材であれば、第一連を。
◯物語文教材であれば、「起」の部分。いわゆる作品の導入部分。
◯説明文教材であれば、一段落。
このように、作品全体ではなく、まず短い部分を音読練習していきます。
それも、自分たちで読む部分を選ばせることがポイントです。
「選ぶ」ことで、子どもたちが主体的になるからです。
自分が選んだから頑張れる訳ですね。
作品のはじめからでなくてもいい訳です。終わりからでも。
これには、異論があると思います。
ですが、そこを選んだために出るそのような不都合なことも子どもたちに気づかせたいのです。
まずは、個人で読んで、読んで、読んでいく。
次に、4人で読む。
ここは、音読に「ずれ」が生じます。
これがねらいです。
個人差があるので、自然と教え合う姿が見られます。
4人で合わせて読むことの難しさを実感しながらも、4人で読みたいという目標があるので、どの子も頑張ります。
1人を評価者にして、他の3人の音読へのアドバイスをさせると効果抜群です。
その際は、ダメなことを言わせるのではなくて、「ここはこう読めばいい」といった前向きなアドバイスをさせるといいです。
この評価活動は、必要です。
自ずと対話が始まるからです。
どの子も以前よりも、工夫して読むことができるようになってきます。
さて自分たちができるようになってくると、当然他のグループの音読が気になります。
他のグループの音読を聴く姿が見られます。
そこで、その次です。
他のグループの音読を聴くという段階へ進みます。
他のグループがどのように読むのか、自分たちと「比べて」聴くようになります。
「僕と同じだ」
「わたしとちがう」
ここでも評価場面が生まれます。
最後には、振り返りです。
自分の成長だけでなく、友達のそれを見とることができれば、この「グループで読む」の意義もあります。
音読は、学校で行う教師の指導の一つです。
何もせずに家庭任せにしてはいけませんね。
さあ、明日の音読もたのしみです。
ぜひお試しあれ!
以下の書籍を参考にしています。
【音読の授業/伊藤経子著/国土社】
【続音読の授業/伊藤経子著/国土社】
今から20年くらい前になるでしょうか。
同じ学年を組む先輩から、教室にモノを持ち込むことを勧められました。
当時は、6年生担任でしたから、その先輩は、社会科の歴史の授業で、実物やレプリカを持ち込んで授業をされていました。
「長篠の戦い」だったか、その後の「織田信長」の授業のどちらかでした。
持ち込んだのは、これです。
火縄銃のレプリカです。
写真の物は、先輩の物とは違います。
後日、私が購入したものです。
翌年その先輩は、4年生担任になり、国語の授業でも、火縄銃のレプリカを教室へ持ち込んでいました。
何の授業でしょうか。
そうです。
「ごんぎつね」ですね。
1年生の国語「たぬきの糸車」なら、糸車の実物をよく持ち込みますね。学校にありますし。
ですが、4年生国語「ごんぎつね」で持ち込んで、どうするのでしょうか。
先輩は、人物の心情に迫っていました。
こんな重い物を、ばたりと取り落とす、兵十の心情にです。
それをつかませるために、子どもたちに火縄銃のレプリカを持たせていました。
その後の授業が深まっていたことは言うまでもありません。
他にも先輩は、「びく」や「はりきり網」も持って来ていました。
「はりきり網まで、やり過ぎやろう!」
当時そう思っていた私も、今では、これら
を持ち込んでいます。
ウニです!
いやいや、冗談です。
「栗」ですね。
でも、私が持ち込むのは、「毬栗」です。
これには、わけがあります。
なぜでしょうか。
もうお分かりですね。
子どもたちは、普通、「栗」というと、
🌰
このような栗をイメージします。
ひどい場合は、スーパーで真空パックで売られている、鬼皮や渋皮を取り除いた「剥き栗」を想像します。
でも、自然界では、栗の木の根元に落ちている毬栗が圧倒的に多いです。
写真が拾って来た物です。
それを教室に置いて、自由に触れるようにしておくと、子どもたちは喜んで触ります。毬栗を笑笑。
でも、痛いわけです。
「先生!痛いわ〜!」
悲鳴のような可愛い声が次々と聞こえてきます。
仕込みは、バッチリです。
単元の後半、「ごんが兵十につぐないをし続けるのはどうしてか」について話し合う場面で、この毬栗お触り体験が生きてきます。
ですが教科書には、「毬栗」とは書いていません。
「くり」とあるだけです。
とすると、ごんが兵十の家に持って来た栗は、毬栗ではない。
もちろん、毬栗でない物も落ちてはいるでしょう。ですが、多くはない。
そうなると、ごんが毬栗のとげに刺さりながらも、中身を取り出したことを想像できるわけです。
兵十のために、毬栗と格闘するごんをー。
いかがでしょうか。
ごんのつぐないのイメージが少し変わってきませんか。
教科書だけだと、苦労なく簡単に拾ってきたように思えます。
ですが、毬栗だと随分違ってきますね。
新美南吉さんは、つぐないに「栗」を選んで「ごんぎつね」を書かれています。
これには理由がありますね。
秋の味覚といえば、「柿」もあるのに。
「栗」なのです。
栗は、5粒ほどでお茶碗一杯分のカロリーがあると言われています。糖分が高いです。甘い。
つまり、少ない量でも効率よく栄養とエネルギーが摂れるわけです。それに、腹持ちもいいわけですね。
おっかあが居なくなり落ち込んで食欲も落ちているであろう兵十。
そこへ栗。甘くて美味しい。味覚を刺激します。(おまけにマツタケは、嗅覚も)
気力も体力をも取り戻せるものが「栗」なのです。
そしておそらく、新美南吉さんは、栗拾いの経験もあるはずです。
毬から栗を取り出す苦労も知っていたはずです。
だからこそ、ごんのつぐないの品物に「栗」を選んだのではないでしょうか。
(マツタケもそうです。なかなか見つからない。見つけるのに苦労する)
そう思えてしかたないのです。
さて、毬栗を触る体験をした子どもたちには、連日、栗を集めるごんの苦労が分かるのです。
きっと、痛い思いをしながら毬栗から栗を取り出したに違いない。
子どもたちの気持ちがごんに、ぐーんと近づく瞬間です。
そして、いよいよクライマックスへ。
他の学年の教材でも、モノを持ち込むことは可能ですね。以下はあくまで例です。
1年生国語「大きなかぶ」なら、かぶらと小さなねずみの人形を。
1年生国語「くじらぐも」なら、大きなくじらの手づくり模型と先生が体操服を着て。
1年生国語「たぬきの糸車」なら、糸車と障子を。
2年生国語「ふきのとう」なら、ふきのとうの鉢植えや筍を。
2年生国語「お手紙」なら、ポストと手紙を。
3年生国語「モチモチの木」なら、草履と栃の実を。
3年生「ちいちゃんのかげおくり」なら、干し飯と戦争遺品を。
4年生国語「白いぼうし」なら、夏みかんと幼稚園児の白い帽子、白いワイシャツを着て腕まくりをして。
4年生国語「一つの花」なら、コスモスと干し飯、戦争遺品を。
5年生国語「大造じいさんとガン」なら、タニシや火縄銃のレプリカを。
6年生国語「やまなし」なら、サワガニが入った川を模した水槽や山梨を。
他にも、いろいろありますね。
考えるだけでたのしくなりませんか。
以前、5年生にあった説明文教材「千年の釘にいどむ」では、白鷹さんの釘を購入して持ちこんだこともあります。
モノを提示するタイミングや提示の仕方も大切ですが、出せば、ぼんやりさんの子どもの目が、キラキラ輝き出します。
想像の一助になっていることがよく分かります。
今の子どもたちは、圧倒的に体験不足ですから、国語の教科書教材に登場する物を知らない子が多いですね。イメージしにくい。
モノを教室へ持ち込むことは、社会科や理科の特意分野ですが、国語も昔から先輩たちがやっています。
職場で教えてもらってもいいですね。
ぜひお試しあれ。
では、また👋
※火縄銃のレプリカであっても武器を模造したものであるので、教育現場に相応しくないとの考えもあります。
教室へ持ち込む前に、学年団や管理職と相談すること付け加えておきます。
以下の書籍を参考にしています。
【「モノ」で社会科授業が変わる/法則化城北教育サークル著/明治図書】
【社会科授業のコツ&アイデア/漆間浩一著/学事出版】
いわゆる、絵日記風の作文である。
自分が書きたいことを、まず絵に書く。
上段には、絵。
下段には、作文。
上段には、記念写真のように伝えたい場面が描かれる。
下段には、その絵が描かれた場面を作文に書くものだ。
苦手な子ども笑顔で絵を描いている。